『自分軸手帳』を使い始めて2年目に、なかなか踏み出せなかった『転職』を叶えたヨルネコさん。
使い始めた当初は手帳に何を書いたらいいのかわからず、ページがなかなか埋まらなかったヨルネコさんは、どのように手帳を良きパートナーにし、人生の転機となるチャンスをつかむに至ったのでしょう?2年間の道のりについて、お話を伺いました。

《Profile》ヨルネコさん
40代の事務系会社員。2024年1月から自分軸手帳&自分軸手帳部がある毎日をスタートし、3年目を迎える(インタビュー当時)。家族は夫と猫2匹。趣味は洋裁・ハンドメイド。
X:https://x.com/yorunoneko222
note: https://note.com/yorunoneko222
手にしたのは『書ける、変われる』予感
―― ヨルネコさんと自分軸手帳との出会いは、2023年開催の書籍コラボイベント『世界一やさしい「才能」の見つけ方✖自分軸手帳 実践キャンプ』(以下『せか才キャンプ』※)だったとか。
(※)『せか才キャンプ』
自分軸手帳部内の活動「書籍実践サークル」(手帳をツールに書籍の学びを自分の中へと落とし込む活動)の効果と雰囲気を部外の方々にも体験していただくべく、2023年4月末からの4週間で開催。部内・外あわせて計1295名の参加者が、書籍『世界一やさしい「才能」の見つけ方』のワークに取り組んだ。
ヨルネコ:はい。40代半ばというタイミングで、漠然とした焦りや不安を抱いていた時期でしたね。自己啓発本を読んだり、自己理解のためのサーベイを受けたりはしましたが、それを日々に活かすまでには至っていませんでした。『せか才』も読了していたものの、ワークページは手つかずで……。自分と向き合ういい機会だと思い、キャンプへの参加を決めました。
―― 参加してみて、いかがでしたか?
ヨルネコ:ワークでの学びを手にできたのはもちろんですが、何より「手帳をツールに学びや気づきをインストールしていくっていい方法かも」と手応えを感じました。

「手帳を活用して学びを深める」って、最初は全くイメージがつきませんよね。でもキャンプでは、部内の書籍実践サークル同様、「今週は何に取り組めばいいか」「手帳をどう使えばいいか」をレクチャーしてお手本を示してくれました。ナビゲートのおかげですんなり軌道に乗れたのがありがたかったです。

―― ちなみに、それまで何か手帳を使ったことは?
ヨルネコ: 予定や買いたいものをメモするのに使う程度で、日々の記録や内省は未経験でした。
ですから、『せか才キャンプ』が完走できたのも、見本があってこそ。直後に自分軸手帳事務局がプレゼントしてくれた『今月の目標と振り返り』のワークページも、やる気満々で挑んだものの、一人ではペンが止まってしまって(笑)。

キャンプがよかったので、「来年(2024年)はこの手帳を使おう!」と決めてはいましたが、それに加えて「これはキャンプ同様、見本や実例が必要だ」と思ったので、自分軸手帳部への入部もごく自然な流れでしたね。
―― 手帳に取り組む様子を頻繁に部員専用プラットフォームに投稿しているヨルネコさんが、2年前はペンが止まっていただなんて、嘘のようですね。

ヨルネコ:部室(※)への参加や部員さんとの交流を通して、自分が定点観測したいことが徐々に見えてきました。こうしてコツコツ積み上げらているのも、多くの手帳の実例に触れながら交流できる『手帳部』のおかげですね。
(※)部室
誰かと手帳タイムを過ごしたい部員さんが自由に呼びかけて開催できる、オンライン(ZOOM)でゆるくつながる手帳タイム。テーマなどは設定されておらず、各自自由な過ごし方ができる。
手帳で新たな考え方をインストール。見えてきたのは、新しい選択肢
―― 手帳を本格的に活用し始めた翌年には、転職という一大ライフイベントを実現したわけですが、『自分軸手帳』を使い始めた時点で、それも視野に入れていましたか?
ヨルネコ:とんでもない!「転職してみせる!」なんて強い決意はありませんでした。

約4年前にやりがいを感じていた部署から異動して以来、職場への不満を抱いてはいました。でも、休みの取りやすさなどにメリットを感じており、不満からは目を逸らしているくらいだったので。
手帳と向き合ううちに少しずつ自分の本音に気づいたり、新しい考え方を取り入れたりしながら辿り着いた先が、今回の転職だった、という感覚です。
―― ある日を境に見える風景がガラリと変わったわけではないんですね。
ヨルネコ:「自分軸手帳は、漢方のようにじわじわ効いてくる」という先輩部員さんの言葉があるのですが、まさにそんなイメージです。手帳片手に次の一歩をチューニングし続けた結果、納得できる未来を掴みやすくなった気がします。
―― 今振り返ると、転職に至るまでの道のりはどんなはじまりだったのでしょう?
ヨルネコ:入部直後に参加した書籍『7つの習慣』実践サークルでの発見が、変化の幕開けだったと思います。

私はもともと、考えても仕方がないことを考え続けてしまうタイプでした。ところが、『7つの習慣』に登場する『影響の輪・関心の輪』(※)の考え方を知って、悶々と考えあぐねても意味がないことに一線を引けるようになったんです。
(※)影響の輪・関心の輪
わたしたちの関心ごとは
・影響の輪:自分がコントロールできること
・関心の輪:自分がコントロールできないこと
で成り立っており、「影響の輪」にエネルギーを注ぐことで具体的な行動が増え問題解決や目標に向かった前進が増える、という考え方。
これを知ってから自分を顧みると、「こうあるべき」という自分ルールに縛られ、自分にも他人にも厳しくなりすぎて勝手にイライラを募らせていたのかもしれない、と気づかされましたね。
―― 行動も変わりましたか?
『影響の輪』の中にある選択肢を選ぶようになりました。
たとえば以前なら、少し体調が悪くても「この仕事があるから絶対に出社」の一択でした。けれど『影響の輪』という視点に立てば、事情を説明して日程を再調整したり、同僚に代打を打診したりするのも選択肢になるはず。周囲に対しても、「この人はなぜ締め切りまでに提出できないんだ」とイライラするのはあくまでも『関心の輪』であって、仕組みを変えたりするのが『影響の輪』の範囲でできることだよね、って。
こうして改めて考えると、何年も抱き続けていた職場への不満に関しても、新たな選択肢が見えてきました。異動希望を伝えるという『影響の輪』のアクションもありますが、それが叶うかどうかは約束してもらえないんですよね。だったら、社外によりよい環境を求めて動き出すという行動を選んでもいいのかも……と、小さくとも現実的に転職を意識し始めた気がします。
本音から目を逸らすのは、もうおしまい。次のチャンスは、自分でつかむ。
―― そうして迎えた2025年は、結果として転職を実現した一年となったわけですね。
ヨルネコ: はい。でも2025年の始まりは、まだ迷っていました。変化が圧倒的に怖かったし、先にもお話したメリットもあったので。
その迷いにヒントを与えてくれたのが、またもや書籍実践サークルでした。2025年3月から、『DIE WITH ZERO』を題材にした回に参加したんです。
―― 「経済的に豊かになるだけではなく、人生を豊かにするための方法を考える」という本ですね。特に大きな気づきを得たタイミングは?
ヨルネコ:人生でやりたいことを年代別に書き出す「バケットリスト」に取り組んだときです。私は未来を考えるのがとても苦手でうまく進まなかったので、「年代はともかく、お金などの制約がなかったら人生で何がしたいか?」という問いに置き換えて書き出してみました。すると出てきたのが、「いろいろな仕事を経験したい」という思いだったんですね。

それを目にしたとき、「私は現状の安心が勝つあまりに、職場への不満を何年も何度も書き留めながらもその気持ちを認めずにきたけれど……『いろいろな仕事を経験したい』という言葉が浮かび上がった今、もう目を逸らしている場合ではないのでは」と思い始めたんです。「うまく考えられもしない未来に安定を求めるより、今の幸せを大切にしていいのでは」って。
―― たくさん向き合い考え続けたからこそ、徐々に本音が心に染みわたり、揺るがない確固たる意志が固まっていったのでしょうね。

ヨルネコ:そうですね。『DIE WITH ZERO』の書籍実践サークルが終了したのが5月。翌6月にはエージェントに登録して、いよいよ本格的に転職活動を始めることができました。
エージェントの営業さんって、マッチしそうな企業をいろいろと勧めてくれますよね。中には魅力的な企業もあったけれど、それまでに「今の会社のいいところ、不満なところ」「譲れないものは?」「得意や喜びは?」ということは手帳に書き尽くしていたので、営業さんの勢いに流されたり、揺らいだりすることもありませんでした。

結果的に、今の不満や自分が掲げた条件をすべてクリアできる企業に出会えて、新年の幕開けとともに新たな職場でスタートをきります。最終的には大満足の転職活動でした。
―― ご自分と向き合い続けてきたからこそ、つかみ取れたチャンスですね。
ヨルネコ:日々の手帳ルーティーンを土台に、書籍実践が加わることで、気づきや変化を加速させてくれたと思います。
ちなみに、私が普段書いているものの一つが、その日のイライラやモヤモヤです。毎日22時からの部室に参加して、ネガティブな感情を振り返り、「どうしたら良かったのかな」ということまで手帳に書き留める。この積み重ねのおかげで、新しい選択肢や行動を選べる自分に変化できた気がします。
損得ばかり考える自分から、周囲に感謝できる自分へ。
―― 今回『転職』という大きなテーマに挑めたほどですから、きっと他にも、この2年間でご自身の変化を実感できた場面があるのでは?
ヨルネコ: そうですね。夫への接し方が変わって揉め事がなくなりましたし、手帳部1年目の2024年度に取り組んだ仕事で、社内表彰される機会にも恵まれました。
―― 当時は職場に対して不満があったのに、表彰されるだけの業績を……!?
ヨルネコ:自分軸手帳に出会う直前に、社内で新しいシステム導入のプロジェクトが動き出したんです。実はこのプロジェクト、日常の業務とは種類が異なり、私の好きな類だ!という予感はあって……。自分軸手帳を使い始めてからは、自分の本音や好き・得意を把握できるようになり、「私にとって、システム設定や導入準備は絶対に楽しい仕事だ!」と確信を深められました。
さらに『影響の輪』の考え方も吸収していたので、「この環境と時間の中で、自分の好きな仕事の面積をいかにして増やすか」という意識も芽生えたんですよね。そこで、期の途中からは仕事用に別の手帳を追加しました。私が新システムの仕事に注力しやすくなるよう、アシスタントさんとの役割を整理し、他のミッションとの時間配分やタスクを手帳に書き出しながらコントロールしたんです。

右上と下の枝が、自分にとっての『好き・重要』を重視した定型外業務の業績。
―― 思考が変わったことで、行動も、世界の見え方も変わりましたね。
ヨルネコ:その点で、人への感謝というものを抱けるようになったのも大きな変化かも……。以前は、自分にばかりベクトルが向いていた気がするんです。でも、自分の本音をつかまえながら行動できるようになったからかな……自分が損しているような感じが手放せつつある気がします。少しずつ自分が満たされてきたのかもしれません。
周囲が見えてきた2026年は、共有・共同の『共』をテーマにしようと思っています。2025年は自分軸の『自』がテーマでしたから……こうしてみると、変化幅は想像以上なのかもしれませんね。
ひとつでも、ふたつでも。試した分だけ実りはあるから
―― 2年間自分軸手帳・手帳部と歩み、変化してきた経験を踏まえて、ヨルネコさんはどんな方に『自分軸手帳』をおすすめしたいですか?
ヨルネコ:本当は「全ての人に」と言いたいところなんですが(笑)。自分の『本心』や『やりたいこと』が分からなくなっている人に、特におすすめしたいです。
私も、目標ややりたいことを書き出すのが得意ではなかったんですよ。入部前なんて、どこかから借りてきたような目標しか書けなくて。

それでも、少しずつ自分の本音が聞こえてきて、アンテナに引っかかるものにまずはチャレンジできるようになって。「本当にやりたいのか、まずは試してみて確かめればいい」というマインドを手に入れることができたのも、すごく良かった。
―― 経験して、確かめて、選び直していく――。
ヨルネコ:今回たくさん書籍実践についてお話しましたが、私、必ずしも美しく完走していないんです。でも、一つでも二つでも、触れたものは身になっていると断言できます。それもこれも、まずはやってみたからこその結果なんですよね。

同じ様に、手帳のワークも、手帳部の活動も、全部コンプリートしなくても大丈夫。「一つでも本音に触れられればハナマル」のマインドで、まずは自分軸手帳を試してみてほしいですね。
■補足:
自分軸手帳部『書籍実践サークル』は、通常は部員のみが参加可能です(希望者のみ、有償)。
題材にする書籍、開催時期・期間は、毎年変わります。
<聞き手・執筆> 矢島 美穂


