自分軸手帳の書き方ガイド

「足し算のワーク」書き方ガイド

「足し算のワーク」とは?

自分の「やりたい」「行きたい」「ほしい」など、自分にプラスしたいもの(=足し算)を書き出すのがこのワーク。見開きには100個の足し算を記入することができます。

自由気ままに「好き」や「興味」を羅列するだけのページに思えるかもしれませんが、そこに集まったものたちを俯瞰することで、あなたの「ありたい姿」や「喜び」が浮き彫りに。自分自身でさえ気づいていなかった、「自分を幸せにする方法」を知るための大きなヒントになるでしょう。

  • 自分の好きなモノ・コトがわからない
  • 他人や流行に流されやすい
  • 『やりたいこと』ではなく、『やるべきこと』に追われている

――そんな状態に陥ったとき。ページに書き込みながら自分を見つめるのはもちろん、書き込み済みのリストを眺めて自分の興味や価値観について考えてみるのもおすすめです。

「感情のアクセル」と「思考のブレーキ」の心地よいバランスを目指そう

私たちの中に同居する「感情」と「思考」は、時に「象」と「象使い」の関係にたとえられます。

ここで一度、あなたの状態に目を向けてみましょう。スパルタな象使いに抑え込まれて、縮こまっている象はいませんか?あるいは、暴れん坊の象をコントロールしきれず、途方に暮れている象使いの姿は見えませんか?

今回ご紹介する「足し算のワーク」の目的は、「自分が本当に人生で臨んでいることを深掘りする」こと。これは、象と象使いが息を合わせて互いを大事にしながら、バランスよく伸び伸び生きている状態であることを目指すとも言い換えられます。

  • 自らの内側から湧き出る「やりたい!」を抑え込まない/諦めない
  • 他人からの受け売りの「やりたい!」に振り回されない

その両方を意識しながらワークを進めてみましょう。

「足し算」を書き出すときの7つのヒント

▼ヒント1|誰にも遠慮しないマインドで!

手帳の上は、自由。そして、大切な手帳といえど、所詮「紙」に過ぎません。そこに書いたことはジャッジはされませんし、前言撤回したっていいのです。

  • こんなこと書いたら笑われるかな?
  • 家族はがんばっているのに、私が好き勝手やるのは申し訳ない
  • お金が足りないかも……
  • 過去の言動と矛盾しちゃう……

そんな考えは一旦捨ててしまいましょう。誰かと比べたり、遠慮したりする必要はありません。
本当にやるか?私にできるのか?具体的にどうやるか?――そんなことを考えるのは、後回しで大丈夫。書くのはタダですよ!

▼ヒント2|「制限」を加えて書き出してみよう!

「○○についてあなたの考えを語ってください」と言われるより、「Yes/Noで答えてください」という問いの方が答えやすいはず。このように、人は完全なる自由な状態よりも、一定の枠組みを与えられた方が思考しやすくなります。

「足し算のワーク」でも、あえて条件を加えながら、自分の希望・欲望が掘り出してみましょう。

  • 「カテゴリー別」で考える
    家族、キャリア、健康、お金、趣味・・・それぞれでやりたいことは?
  • 「期間」を区切って考える
    3カ月以内、今年中、3年以内・・・期間内にやりたいことは?
  • 「金額」をイメージして考える
    5,000円、1万円、3万円、10万円・・・自由に使っていいとしたらやりたいことは?

▼ヒント3|「ささやかなもの」「くだらなく思えるもの」も大歓迎!

「世界平和」より「自分の心の穏やかさ」を優先してもOK。「お腹いっぱい焼き肉が食べたい」「20万円かけて推し活したい」というのも立派な願望です。

「足し算のワーク」から自分軸を見つけるには、規模や大人げなさで判断しないことが大切。自分の心が躍るなら、それは全て正解です。

▼ヒント4|同じことが繰り返し登場してもOK!

100個書き出すと、同じことや似たものが何度も登場することも。そんなときは、消したり1つにまとめたりせず、そのまま残しておくのがおすすめです。

というのも、無意識に何度も登場する項目=あなたが心の底から欲していることだから。

それこそが、あなたらしさであり、自分軸の種につながります。

▼ヒント5|「とりあえず書いておく」のも大事!

強い気持ちがあっても、様々な事情でなかなか前進できないことは必ずあります。

  • やってみたいけれど、難しい(不安・恐怖)
  • 興味はあるけど、準備が足りない(お金・環境・タイミング)

そういった場合も、自分の興味がどこかに飛んで行かないよう、きちんと書き留めておきましょう。

今すぐ叶えられなくても、書き留めることであなたの中にアンテナが立ち、さらにページを見れば思い出すこともできます。条件が整ったとき、あるいは、思いがもっと強くなったとき。きっとそこに蒔いた種があなたの背中を押してくれるはずです。

▼ヒント6|「100個叶える」を目指し過ぎない!

たくさんのことを叶えたい!――その思いは大切ですが、「できた!」の数を重視しすぎると、ワークに書き出す段階で「やりたいこと」より「できること」に意識が向いてしまうことも。その結果、自分にとってより大切なことを見逃がしてしまうのであれば、本末転倒です。

だからこそ、叶うかどうかより、叶えたいかどうかを大切に。

100個のチェックボックスが埋まるより、たった1つの願いが実現できたことの方が幸せということもあるはずです。

▼ヒント7|あなたの心地よさを何より大切に!

ここまで、いくつかのヒントをお伝えしてきましたが……何より大切にしてほしいのは「あなたの心地よい方法で書き進める」ということ。

たとえば、こんなやり方も……

  • 一気に100個書き出さず、その都度書き足す
  • ここまで紹介したヒントを無理に取り入れない
  • 確実に叶うとわかっていることも書き込む
  • ワークに書き込まれていないことが叶いそうになったとき、「そういえば私がやりたかったことだ!」と達成直前/直後に書き足す

「足し算のワーク」を通して、あなたの「興味」「価値観」「感情」に気づくことにつながるなら、どんなアレンジも正解です。

「足し算のワーク」を育てる3つのポイント

自分軸をすくすく育てるには、ワークに繰り返し取り組むことも大切です。

ここからは、「足し算のワーク」を育てるポイントをご紹介します。

▼ポイント1|「その足し算は本当に自分軸に沿っているのか?」を自らに問い直す

書き込んだワークを一度寝かせてからスクリーニングすることで、純度の高い「自分らしい足し算のリスト」へと育てることができます。

たとえばこんな問いで、自分の気持ちを確認してみましょう。

  • それをやっている自分をイメージしたとき、心が躍る?テンションが上がる?
  • 今もやりたいと思っている?

もし放置気味の項目があるなら。なかなか取り組もうとしない理由や、ブレーキをかけている要素を深掘りしてみましょう。

  • 何か行動したことはある?
  • 進まない理由は何?

その結果が、「誰かのマネをしているだけだった」「周りの評判に流されて」という答えなら、リストから外してOKです。
「Aがやりたいと思っていたけれど、むしろBの方がいいのかも……」と、興味の本質やベクトルへの気づきが得られたのなら、それを新たな足し算として書き足すのもお忘れなく。

▼ポイント2|ふせんやPDFを活用してアップデートしていく

自らの成長や環境に合わせて、「自分軸」に少し変化が生まれたり、新たな芽が出たりすることも。そんな自らの変化を反映するために、年の途中でワークを書き直してアップデートするのもいい方法です。

ふせんをつかうと、興味や状況の変化に合わせてリストを更新しやすくなります。

メールマガジンご登録者に配布しているワークのPDFファイルをプリントアウトして、リストを更新するのもおすすめです。

▼ポイント3|確実な行動につなげる仕組みを整える

「足し算のワーク」は、自分の『好き』を理解するためのもの。とはいえ、実際に自分を幸せにしてあげるためには、ページに掲げた項目を実現する必要があります。

そのためには「リストを書きっぱなしにせず、行動につなげる仕組み」が大切です。

◆ワークをチェックするタイミングを決めよう

  • 毎月の振り返り/目標設定のタイミング
  • 毎月10日(「十」日=プラス=足し算)のタイミング

◆頻繁に目にするページに「足し算」の項目やタスクを落とし込もう

  • 「月のテーマ/目標」のページに、今月取り組めそうな足し算を反映
  • 「ウィークリーページ」に、ToDo・日々の予定として足し算を反映

ワークに取り組んだ方の気づき

これまで「叶わなかったらどうしよう」と思って書き進められていなかったけれど、書けなかったとしても、失うものは何もない!本当に望んでいることを深掘りするのが「足し算のワーク」なんだから、もっとどんどん書いてみよう。

「足し算のワーク」に自分の好き、やりたいを書き出す=“手帳にモチベーションを挟んで持ち歩いている”ということ。これってとても素敵!

終わりに

幼いころから「泣くのをやめなさい」「ガマンしなさい」「それはあなたにはまだ早い、もっと大きくなったらね」と声をかけられることが多かった私たち。自分の「好き」や「興味」、「感情」に鈍感になるのも、無理はありません。

だからこそ、手帳と向き合うひと時は、自由を思う存分味わいながら「足し算のワーク」を埋めてみてください。あなたの手で、明るく穏やかな未来への種を蒔いていきましょう。