自分軸エピソード

日常も手帳も完璧じゃなくていい。「70点のOKライン」が生んだ自分のための時間

こんにちは。
自分軸手帳部員&ライターの美穂です。

手帳を通して仲間と一緒に自分軸を見つけ、育てることができる、それが自分軸手帳部です。
多くの自分軸手帳部員さんから聞こえてくるのは「仲間と自分軸手帳を続けるうちに、自分自身に気づきや様々な変化が生まれた」という声。その一部をインタビュー形式でお届けします。

今回お話を伺ったのは、みさみささん。

3歳の息子を育てる30代時短ワーママ。2023年~自分軸手帳部入部し、楽しく温かく穏やかな日々を目指す。2024年は「動」「感」をテーマに掲げる。
好きなことはピアノ演奏・クラシック鑑賞・音声配信を聴く・読書など。

「これができていない」「もっとよくしたい」――そんな向上心が裏目に出て、自分を縛り付けていたみさみささん。自分軸手帳を使い始めて手にした気づきやきっかけから、最近は程よいOKラインを見つけて、以前より自分の時間を多くとれるようになったのだそう。その道のりと変化についてお聞きしました。

「ネガティブを違う目線で見つめられる自分」のはじまり

美穂:
みさみささんが自分軸手帳を使い始めたのは2023年の1月。ちょうど1年前ですね。どんなきっかけやモチベーションがあったのでしょう?

みさみさ:
当時ハッキリとした悩みはなかったのですが、漠然とした不安がありました。というのも、2023年の4月に育休復帰を控えていたから。仕事は好き、復帰も自分で決めたこと。それでも「今でさえ家事が完璧というわけでもないのに、ここに仕事が加わったらどうなっちゃうの?」って。

このモヤモヤを持ち越したまま復帰したくない。それには、新しい場や手帳を生活に加えてみるのもいいのかもしれない、と思いました。

美穂:
とはいえ、手帳の購入にくわえて、手帳部に入部するにはコスト面で迷う方もいます。そのあたりは気になりませんでしたか?

みさみさ:
正直、迷いました。でも、SNSでご自身の手帳の中身や活用アイデアを発信なさっている自分軸手帳部(以下 手帳部)の部員さんは、素敵だなあと思える方も多くて。一つのモチベーションになりました。

さらに、2023年の手帳販売前にはInstagramで「仮入部(※)」がありましたよね。インスタライブで手ほどきやアドバイスなどを聞きながらPDF配布された実際の手帳と同じ仕様のマンスリーやウィークリーページに実際に書きこむうちに、自分軸手帳や部の魅力を実感できる機会にも恵まれました。

(※)仮入部
2023年の入部検討者に向けて、部内で定期的に実施されている部員同士の手帳タイムを誰でも疑似体験できるイベントをインスタライプで配信した。
現在は「もくもく会」「手帳クリニック」というスタイルに形を変えて毎月定例開催中。詳しくは公式Instagram参照。

美穂:
仮入部の段階から、実際に変化や効果を感じることはありましたか?

みさみさ:
ネガティブな物事を、それまでとは違った目線で捉えられるようになりました。
仮入部期間に紹介されたのは、「YWT(※)」というフレームで物事を書き出すという方法。

(※)YWT
Y:やったこと/W:わかったこと/T:つぎにやること

配布されたPDFに書き込んだ仮入部期間

それにそって事象を見つめ直すと、ネガティブな気持ちを書き始めても、最終的には「じゃあこれからどうしようか」というポジティブな方向に自然に目が向けられることに気づきました。
それから、「これは大変!問題だ!」と捉えたことも「あれ?そもそもこれは問題なのか?ただ自分の思考の癖で問題にしてしまっているだけでは?」なんて捉え直せたこともしばしばです。出来事と感情を分けて書くようになったので、フラットな視点で自分を見つめやすくなったのだと思います。

美穂:
本入部前から、すごい気付きの連続ですね。

みさみさ:
当時書き込んだPDFを改めて見返すと、イライラ、モヤモヤがたくさん並んでいて、今となっては自分の「書きたい欲」をものすごく感じます。具体的に「手帳」という手段を欲していたつもりはなかったのですが、私にとってはすごくいい方法だったんでしょうね。

書きたいときも、書けない時も。すべてを受け止めてくれる手帳部の存在

美穂:
仮入部の時点で既に変化の入り口に立っていたみさみささんですが、本入部してから、さらなる変化はありましたか?

みさみさ:
「自分は何もできていない」という感じがなくなりました。

本入部して2年目を迎えた最近のウィークリー

仮入部期間同様、YWTのフレームを活用して書き続けたのですが、入部以降はそれが習慣化されたわけです。すると、放っておけば記憶から消え去るような物事たちが、手帳にどんどん残る。「あぁ、これまで忘れてしまっていただけで、私はちゃんとあんなこともこんなこともやっていたんだ」と自分を認めてあげられるようになりました。

ウィークリーページのフリースペースでモヤモヤを分解

それから、モヤモヤが減りましたね。
ムムッと思ったことを都度ウィークリーの隅っこにメモして、「何が不満なの?」「どうしてそう思ったの?」と自分と対話しながら深掘りしていくことをいつしか始めるようになりました。頭で考え込むとただただグルグルするようなことも、書き出して分解すると、「そういうことか」と合点がいくからでしょうか。

美穂:
モヤモヤの分解!やってみたいけれどどこから手を付けたらいいのかわからない、という方も多そうですが……みさみささんはそれをどのようにマスターしたのですか?

みさみさ:
「何か強い決意をして」とか「試行錯誤して」というわけではなく、ごく自然に始めた気がします。手帳部では、自分の気持ちを捕まえて手帳の上に言語化するのが日常という部員さんが多いですし、その手帳を惜しみなく見せあえるクローズドのプラットフォームもある。そんな環境でたくさんの部員さんの手法やアイデアに触れるうちに、自然にできるようになった、という感じでしょうか。

本入部後は手帳がより習慣化した、というお話もしましたが、これも一緒に書ける部員仲間がいた、という部分が大きいです。

美穂:
確かに、手帳部には「これってどうやってるの?」と迷うと、そのノウハウやヒントをどんどん差し出してくれる人が多いですし、たくさんの叡智が蓄積された専用プラットフォームもありますからね。

みさみさ:
でも、「ゴリゴリ書くのが正義!」というわけでもないのが手帳部のまたいいところなんですよね。「書けないから失格」ではなく、むしろ「真っ白なページも記録」と捉えてくれる。

美穂:
その人ならではの手帳との付き合い方を尊重する空気が、広く根付いていますよね。

みさみさ:
本当に。私自身、手帳に向き合う余裕がなく真っ白なページが続いた時期があったのですが、部の懐の深さのおかげで、再び手帳と部の活動に戻ることができました。

――自分自身の経験を思い返してみると、手帳が真っ白なときって、実は手帳以外のことを頑張っていることが多い気がするんです。

美穂:
手帳以外のことを頑張っている――!

みさみさ:
体調を崩したから整えている、集中している、トラブルや要望に対応している――だから、あとから「真っ白だったから、私はダメだなぁ」なんて思わず、「手帳が書けなかった理由」を書き留めてあげるようにしています。

真っ白だったページも記録と捉え、書けなかった理由をメモ
「びっしり書く=善」という価値観に縛られない手帳部に、私自身も助けられています。

「完璧」を捨てて定めた「自分なりのOKライン」

みさみさ:
さらに、夏に開催された、書籍『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』の実践サークル(※)(以下 書籍実践サークル)での気づきも大きかったですね。

(※)書籍実践サークル
テーマとなる書籍のワークや教えを、手帳を活用しながら実践し、気づきや学びを深めるサークル活動。参加メンバーは取り組みや学びを専用プラットフォームにアウトプットすることで、互いに気づきや変化をシェアする。
過去には『7つの習慣』『世界一やさしい「才能」の見つけ方』をテーマに活動した。

美穂:
詳しく聞かせてください。

みさみさ:
一人ではなく他者の存在があってこそ、「自己理解」を徹底的に深めることができたと思います。他の部員さんのアウトプットや価値観の言語化などを前にして、自分と照らし合わせることで見えてくるものがあったんです。

書籍のポイントや問いをマンスリーページにまとめながら取り組んだ跡

これまでもワーク系の書籍を手にしたことはありましたが、実は自分一人で上手に取り組めたことがなかったんです。今回「サークル」という形で問いに向き合ったからこそ、完走できましたし、人との違いが浮き彫りになることで、自分自身の輪郭を確認できました。

美穂:
結果として見えてきた自分はどんなものだったのでしょう?

みさみさ:
「現状に満足しづらい自分」
です。

書籍のワークに粘り強く取り組み自分と向き合った

「もっとよくしたい、まだできる」という思考自体が悪いわけではないのですが、ともすると足りないものにばかり捉われやすい。
実際、夫が家事をいろいろやってくれても「今日はやってくれなかった」「私だったらこれをここまでやるのに」という気持ちに陥りやすいんです。

そんな自分に気づけたからこそ、完璧じゃない部分を許すようになりました。24時間の中で育児に仕事に追われて、どうしても行き届かない部分はある。その中で「100点を目指すのではなく、70点までやればOK」って。

美穂:
自分のOKラインを見直したんですね。見える世界が変わりそう……!

みさみさ:
そうですね。

少し話は変わりますが、ストレングスファインダーという診断によると、私の資質のトップは「学習欲」なんです。だからこそ、自分がモヤモヤやイライラに陥るのは「学びたい気持ち」が満たされていないときが多いのではないか、という気づきを得たことがありました。

そんな状況を引き起こす原因の一つは、家事も仕事もプライベートも完璧な状態にこだわり続ける自分だったんですよね。

自分の価値観を言語化し、行動や選択の方向性が明確に

自分なりの考え方・強み・成功パターンを理解したことで、行動や思考の根拠が自分で説明できるようになったし、次にどうしたら良くなりそうかも明確になりました。
それ以降、育休中は中断していたピアノのレッスンを再開したり、手帳部やそれ以外のオフ会に参加したり。毎朝開催される手帳部の部室(※)を活用して早朝の自分時間も定例化しています。
実際に、育休中より仕事をしている今の方が自分に使う時間が増えました。

(※)部室
開催日時は決まっておらず、誰かと手帳タイムを過ごしたい部員さんが自由に呼びかけて開催できる、オンラインでゆるくつながる手帳タイム。テーマなどは設定されておらず、各自自由な手帳タイムを過ごすことができる。

誰にでも「書いてみたらわかること」がある

美穂:
もし自分軸手帳がなかったら、みさみささんは今ごろどうなっていたと思いますか?

みさみさ:
日々やるべきことに追われ、完璧を求め続けて、イライラしていたでしょうね。

美穂:
では、みさみささんが自分軸手帳をすすめたいのはどんな人でしょう?

みさみさ:
自分でもうまく言語化できないモヤモヤや不安がある人に、ぜひおすすめしたいです。漠然と「現状を変えたい」と思いながら、何をどうしたらいいかわからない人に。

ここまで私はいろんなことをそれっぽくお話してきましたが、正直なところ、手帳にそこまでたいしたことを書いているわけではないと思っています。でも、書くと何かしらの気持ちが見えてくるんです。

ぎっしりじゃなくても、立派なことじゃなくても大丈夫。書いてみたからこそわかること、書かないとわからないことが、誰にでも必ずあるはずです。

おしまいに

今回のインタビューでとても印象的だったのは「手帳が真っ白なときは、手帳以外を頑張っている時」という言葉。

先述の通り、自分軸手帳部では「白紙も記録」という考え方が浸透しています。とはいえ、完璧主義だったみさみささんのままだったら、きっとなかなか受け入れられない「不完全なページ」だったことでしょう。
ところがみさみささんは「手帳以外の場所にある頑張り」に目を向けるようになった――。その姿こそが、「完璧より大切なもの」をきちんと大事にできるようになったことの証明に思えました。

「手帳部に入ったからには、きちんと手帳を使いこなさなくては。活動にコミットしなくては」――なんて気負わなくても大丈夫。手帳と仲間の存在が「あなたにとって大切なもの」を見つめるきっかけになれる――このことこそが、私たち自分軸手帳の一番の喜びです。