2022年に『自分軸手帳』を手にして以来、自分と向き合い続けているかよこさん。
特に出産後、どこか自分を犠牲にしているような感覚がつきまとっていたといいますが、自分軸手帳歴5年目となった今は、「人生の舵を握り直せた」と語ります。どうしたら自分を主役にした人生を取り戻せるのか?これまでの4年間で得た気づきや手帳の活用方法をお聞きしました。

《Profile》かよこさん
40代、週4日のパート勤務。2022年1月から自分軸手帳&自分軸手帳部スタート。
家族は夫と小学生の娘。
人の素敵なところに光を当てる照明係。
ものが少なくて静かな場所、読書、カフェでお茶をする、展覧会に行く、人との交流が好き。
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「もし何も制約がなかったら?」自分の本音に耳を澄ませたい
―― かよこさんが自分軸手帳を手にしたのは2022年。同時に自分軸手帳部にも入部されて今に至りますね。
実は最初に惹かれたのは、手帳そのものよりも手帳部というコミュニティの存在でした。
2022年は子どもがまだ4歳で、自分についてじっくり考える時間が取りにくい時期でした。その点で、自分と向き合うためのツールとして手帳は良さそうだぞ、という予感はあったんです。
でも、一人だと書ける気もしないし、続かないかもしれない。他の方はどう書いてるのだろう?手帳を書いたらどんないいことがあるのだろう?というのを覗きたい気持ちが強かった気がします。
―― スタート時は、「自分ともっとじっくり向き合いたい」という気持ちがあったとのことですが、何か困りごとなどを抱えていたのですか?
困りごとや切迫感はなかったものの、「自分の本音にもう一歩踏み込みたい」と感じていました。
子どもが産まれると自分のことが後回しになりがちですよね。夫の転勤に伴って仕事を退職してからの出産、しかも夫婦の実家から遠い土地の子育てでしたから、いわば「育児のフルタイム労働」という感覚でした。
娘は私を求めてくれるし、一瞬の成長を見逃がさずにいられる。日々に幸せや充実感も感じてはいたし、「今のこの枠の中で自分がどれだけ心地よくできるかに注力しよう」と行動するようにもしていたので、ある程度は自分の気持ちを見つめていたとは思います。
でも、「こっちの方が楽だよね」とか「そっちが順当だよね」という空気に流されずに生きているかと問われれば、Yesという自信はなくて……。だからこそ、手帳を使って「この状況や制約をすべて取っ払ったときに見えてくる本音」と向き合いたいと思っていました。
俯瞰できる手帳だからこそ、点が線になって浮かび上がる
―― では、いざ自分軸手帳を手にして、最初に感じた変化を覚えていますか?
過去を反省するのではなく、自分への「いいね!」が増えましたね。ウィークリーページにその日の出来事や感じたことを記録したり、月末の振り返りに取り組んでみたりして感じた効果でした。
もともとは物事を改善するのが好きな分、「まだ足りない、こうすれば良かった」と、『もっともっと』が発動しやすいところがあるんです。だから、初めての「今月の振り返り」は、まるで反省会。

でも、部員さんの投稿を見つつ何度か取り組むうちに、「毎日同じように思えても、色々やってるじゃん!」と実感できるようになりました。日々手帳に書きこみながら「こういうことがあったな」とか「娘がこう言ってくれたことが嬉しかったな」と、自分のがんばりや周りにあるハッピーをもう一度噛みしめ、それらの存在を認識する。そうするうちに、現状を認められるようになりましたね。
―― 手帳に集めたハッピーやがんばりの足跡がかよこさんを変えてくれたんですね。
そうですね。一つの足跡だけだとわからないことも、それがいくつか集まったり、一緒に何気なく書き留めた感情があったりすると、線になって見えてくるものもあります。だから、点としての「出来事」に留まらず、線として結び付けて「自分がうれしいパターン」「疲れるパターン」なども、一つずつ発見することができましたね。

手帳って、こうやって俯瞰できるのが大きなメリットだと思うんです。だから、毎週末には「一週間の振り返り」として、記憶が新しいうちに直近の日々を俯瞰することも習慣にしていますよ。
モヤモヤを書き出し見えてきた、「自分」と「他人」の境界線と効果的なエネルギーの使い方
―― ここまでの変化だけでも十分に思えますが、かよこさんはさらなる大きな変化を感じているのだとか……。
はい。相手への期待を手放しつつある自分を実感しています。
私は、何かモヤモヤした時に状況や気持ちを一気に書き出した後、「では、それに対して自分は何ができるか?」と一つずつ突っ込みを入れていくようにしています。すると大抵の場合、「相手からこう思われるかもしれない」「相手の態度が不本意だった」という類のことがたくさん出てきて、自分にコントロールしにくい要素にがんじがらめになっているなあ、と思わされるんです。
―― これも、先ほどの「書いて俯瞰して気づかされる」の流れと一緒ですね。

そうそう。頭の中を紙の上にバーっと書き出すことで、自分ではどうにもならないことの量が可視化される。ではそれに対して、私は何ができるだろうって考えると、エネルギーを無駄に使わずに済むし、他人に過剰に期待しなくなる。精神衛生上、よいサイクルを手に入れつつあると感じています。
―― 他人への期待に捉われにくくなった結果、具体的に何か行動も変わりましたか?
たとえば、義母に言いたいことを素直に言えるようになりましたね。
義母が我が家に来るとき、娘との遊び道具を持参してくれるのですが、すべて置きっぱなしにして帰ることが続いたんです。孫への愛情とはわかりつつ、私はモノを増やしたくない。だから、ずっと「何も持ってこないでください」と伝えていたのに全く改善されなくて……。「伝わってないのかな?ないがしろにされている?」とイライラが募っていました。
そこで、私にはコントロールできない相手次第の部分と、自分の取り得る行動を整理し、もう少しはっきり伝えようと決めたんです。
―― わあ、それは興味深い。具体的にどう伝えたのですか?
「こういうことが続くと私はストレスを感じるから、やめてほしいです。孫への気持ちだと理解しているし感謝はしているので、最終的な判断はお任せしますが、私個人はこのままだと辛いです」というように伝えました。
以前は相手の好意を察してブレーキをかけたり、オブラートに包みまくったりしていました。でも、自分の素直な気持ちをきちんと伝えて、それに対してお義母さんがどうされるかはお任せしますと伝えてみよう、と。
―― 最後の判断は委ねるんですね!私だったら、相手の同意まで取り付けて確実に改善してもらえないと引き続きモヤモヤしてしまいそうですが……。
うん、わかります。でももし相手が変わらないのだとしたら、自分の率直な気持ちを伝え続けるしかないと割り切っています。
勝手に期待せず、自分と他人との間に境界線を引く。その考え方を手にしてから、「自分が選択していいし、人生の舵を取れるんだ」と思えるようになりました。相手を優先して自分が「こうする」という選択をしたのなら、それは結局相手に押し付けられたわけじゃなくて自分の選択だよ、と思えるようにもなりましたね。
―― お義母さんに対して実践していたような、気持ちや主張の伝え方も見習いたいです。
伝えるときには、「私の主観です」という形にするよう意識しています。「変えよう」とか「アドバイスしよう」というのではなく、「私はこう思いました」と、ライトに伝える。
突然手編みのマフラーを、「受け取って!」って気合い満々に押し付けられたら、相手は引いちゃうじゃないですか(笑)。だから、私と相手の間に気軽な形のものをそっと置いて、「これ、もし気に入ったら持って行ってくださいね」というイメージで伝えています。
―― 素晴らしい方法を手にしましたね!
気持ちがモヤモヤしている時って、視野が狭くなりがちだと思うんです。それを手帳に出すと離れて眺められるし、少し時間を置いてからそのメモを見ると別の視点が見つかることもあると知っているから、手で書く行為をとても頼りにしています。
それから、部員さんに磨いてもらった部分も大きいんですよ。たとえば部室(※)で「今日、実はこんなことがあって…」とコメントを投稿すると、それに対する返信で視野を広げてもらうことも多くて。実際に私の手帳には、部員さんにもらったコメントや褒め言葉もたくさんメモしてあるんです。部員さんとの交流が、たくさんのヒントを授けてくれます。
(※)部室
誰かと手帳タイムを過ごしたい部員さんが自由に呼びかけて開催できる、オンライン(ZOOM)でゆるくつながる手帳タイム。テーマなどは設定されておらず、各自自由な過ごし方ができる。部員さん同士のチャットでの交流も可能。
大切なものは譲らない。理想の1日を手帳で描き、仕事を再開
―― ちなみに冒頭で、自分軸手帳を使うにあたり「もっと深くにある本音に触れたい」と考えていたと話されていましたが、新たに見えたものはありましたか?
はい。置かれた状況からしか今を選べていないのでは?流されているのでは?と思っていましたが、諦めて甘んじて受け入れているのではない、と思えました。「選ばされた」のではなく、「じゃあ自分はどうできるか、何をするか」と試行錯誤しながら、能動的に選びとれているなって。
以前は、夫の転勤とともに自分のキャリアが変わることに納得しつつも、どこか不満もあったんです。でも、それも今はなくなりました。もちろん、結果的に影響は受けたけれど、子供の成長を見られるような生活に満足もしている。無理にいいところを見つけるのとも違って、「enough(=十分)だな」と思えたんですよね。
―― その気づきを手にしつつ、2025年の6月にはお仕事も再開されたとか……。これもまた「自ら選んだ」ことの一つというわけですね。
はい、経済的なプラン面や子どもの成長など、後押しになる理由も多く、久々に仕事に出る選択をしました。一方で、手帳を書き続けるうちに大事にしたいものが見えてきていましたから、それを見失わないように、ここでも手帳を活用しながら仕事や働き方を選びました。
―― どんな風に手帳を活用したのでしょう?
まず、娘が学校から帰ってくるのと近しいタイミングでは家にいたい。だとすると、何時間がいいのか、どんな時間帯がいいのか、と、バーチカルの時間軸を活用しながら検討していったんです。

家事はこのタイミング、この時間には家にいたい――と理想の時間を描いて考えた結果、平日3時間×4日間、という働き方を選びました。いまでも、より自分が幸せを感じるキャリアを模索していますが、久々の仕事再開という点で、いいスタートがきれたと感じています。
一日だって、同じ日はない。それを実感させてくれるのが自分軸手帳
―― では最後に……かよこさんは、どんな方に自分軸手帳をおすすめしたいですか?
いま、明確な目標があるわけではない人。日々に追われて「毎日同じ生活……」と思っている人におすすめしたいです。
毎日ではなくとも、少しでも書き残せた日々の様子を振り返れば、「あ、こんなことができたんだな」と気づけるはずだし、「じゃあ次はこうしたいな」という気持ちも生まれると思います。
―― かよこさんの実体験を踏まえると、とても説得力がありますね。
そうですね、私はそこが変化の始まりでしたから。
それから、自分軸手帳部もぜひおすすめしたいです。自分にとって普通の毎日だと思っていても、部員さんとのやり取りで「そんなに色々やってるなんてすごいね!」と頑張りに気づかされたり、労ってもらえたり……いい意味で自分にとっての当たり前を崩してくれる仲間がいることで、きっと全く違う世界が見えてくると思いますよ。
<聞き手・執筆> 矢島 美穂
自分軸手帳・代表の一番ケ瀨ようこがお届けするVoicy「わたしと向き合う、整える|自分軸ラジオ」でも、かよこさんのBefore/Afterをインタビューしています。ぜひ、併せてお楽しみください。
【部員さんインタビュー】「人に合わせて無理をする」から、自分を大切にできる自分へ | 一番ケ瀨ようこ | 自分軸手帳「わたしと向き合う、整える|自分軸ラジオ」/ Voicy – 音声プラットフォーム


