キャリアや日々の生活リズムにモヤモヤを抱えつつ、なかなか突破口が見いだせなかったすぴかさん。2年半前に『自分軸手帳』を手にし、同時に『自分軸手帳部』に入部したのを機に、ぐうたら生活から脱却。さらに職場では、上司からは前向きなフィードバックを得られるほどの変化を手にすることができたといいます。
「自分に愛着が持てるようになってから、いろんなことが変わっていった」と語るすぴかさんの足取りをたどります。
《Profile》すぴかさん

《Profile》すぴかさん
関西在住の会社員(事務職)、40代。
2024年1月から、自分軸手帳&自分軸手帳部スタート。
歌うことと楽器の演奏が好き。日々、食養生を実践中。日本化粧品検定2級。ラジオ体操指導員という一面も。
X:https://x.com/spica_77_kaede
Instagram:https://www.instagram.com/ai_hayabusa8823
すっぴん、パジャマで大丈夫。「盛らない自分」が許される場所
―― すぴかさんのプロフィールを拝見すると、お仕事だけではなく、資格を取得していたり、趣味があったり……十分に充実した毎日を過ごしていそうな印象です。それでもなお、『自分軸手帳』を手に取った背景には、どんな思いがあったのでしょう?
年齢的に、キャリアや今後の人生に迷いを抱く時期を迎えていました。5年ほど前から、デキるビジネスマンが使うワーク付きの手帳などを使って「自分を高めよう」と試みていましたが、その手帳が硬派でビジネスマッチョな印象だったんですよね。ワークの難しさもあったし、形から入っていた面もあったと思います。だからいまいち自分にフィットしなくて、何よりも続かない!
そんなことを繰り返していた2023年末、自分の今後につながるような手帳はないかと書店を覗いたとき、自分軸手帳に出会いました。手帳での挫折経験があった分、「今度こそ余すことなく活用したい!」と『自分軸手帳部(以下 手帳部)』にも最初から迷わず入部しましたね。
―― 入部してみた印象は?
手帳部には圧倒的な心理的安全性がありました。
どんな頻度やスタンスでコミュニティに参加するか、手帳に何をどう書くかは全て自由で、互いに認め合っている。「こんなことを言ってもいいのかな?」と思えるようなことも話せるし、部員さん同士も安心して自分をさらけ出している様子に、とても驚きましたね。
―― 手帳部では「心理的安全性を保つこと」が特に大切にされていますからね。
そうですね。改めて振り返ると、それまでの私は「盛っている自分じゃないと受け入れられない」という思考が刷り込まれていました。SNSではフォロワーさんが増えたこともあって、どうしても自分を誇張してしまうというか……虚像で生きる自分に疲弊感を抱く部分があったんです。
でも、手帳部は顔出しの座談会に参加する時だって、すっぴんでパジャマでも許される(笑)。ものすごく居心地よく感じました。

劣等感をくすぐられたり、自分を盛ったりする必要がないから、不安を口に出せる場所でもあります。「できない自分は認めたくない、見せたくない」と思っていた私も、手帳部では困りごとや不安を発信すると、誰かが共感して、経験をシェアしてくれる。いい意味で人と比べたり、新たな視点を得たりしながら、自分というものを客観的に見られる。むしろ「どんな気持ちも言った方がいいんだ」とすら思えるようになりましたね。
自分との約束を一つずつ積み重ね、「どうせダメな私」から「信じられる自分」に
―― 部員さんと共に、いざ『自分軸手帳』を使い始めたすぴかさんには、どんな変化がありましたか?
まず最初に起こった変化は、ぐうたらな生活からの脱出です。
以前は、常に睡眠不足でした。年齢的な体力の低下や体調の不安定さも手伝って、週に2~3日あるリモートワークの日は、開始ギリギリまで寝ていることも多く、夜更かしも日常茶飯事。もういい加減どうにかしたいけれど、方法もきっかけも見つからなくて…… 。それに効いたのが、「6時部会」と呼ばれる、朝6時からの部室(※1)でした。
※1:部室
誰かと手帳タイムを過ごしたい部員さんが自由に呼びかけて開催できる、オンライン(ZOOM)でゆるくつながる手帳タイム。テーマなどは設定されておらず、各自自由な過ごし方ができる。部員さん同士のチャットでの交流も可能。
定例化されている部室もあり、6時部会もその一つ。
―― ギリギリのお寝坊状態からの早起きは、なかなかハードルが高そうですが……。
「新たな習慣を取り入れたいなら、意志に頼らず仕組みを用意すること」とよく言われますよね。6時部会は、まさに私にとって仕組みとして機能してくれました。
6時部会は交流が活発なんです。カメラも音声もオフなのに、それぞれが思い思いの方法で朝時間を満喫する姿がチャットから滲み出て、朝から元気をもらえるんですよね。しかも6時25分からは、NHKの「テレビ体操」を見ながらラジオ体操をする人も多くて。早起きも、運動も、ずっと挫折続きだったのに、6時部会に参加するようになったら習慣として自然に定着して。さらに次の日の部室への参加を楽しみに、寝る時間も早くなっていきました。
―― 「やらなくちゃ」じゃなくて、「やりたい」という気持ちは強いですね!
それまでは「どうせ自分には続かない、今回もダメだろう」と思っていたのに、続けられる自分に出会えたのはとても大きな出来事でした。


その点、自分軸手帳のウィークリーぺージにある「習慣化リスト」も私の変化の支えになりましたね。ここに掲げる項目は、自分との約束。最初は「6時部会への参加」に始まって、それが当然の習慣になればここから外してももう大丈夫。生まれた余白には、新たに取り入れたい習慣を追加します。一つ一つのマルを積み重ねて、うまくいかない時は「どうしてだろう?」と自分と相談――それを繰り返しながら、自分への信頼を高めることができたと思います。
「これが自分との対話なのか!」手にしたのは、私への愛着
―― 習慣化リストを味方につけていた様子がひしひしと伝わってきます!ちなみに、それ以外の部分も含めて、最初からスムーズに手帳をツールとして活用できていたんですか?
とんでもない!最初は目標を書いても、当たり障りない内容。ウィークリーページも日誌に近いものでした。何時にどこに行って何を食べた、テレビで何を見た、みたいな。


でも、手帳レッスン(※2)や部員さんの手帳を覗くうちに、感情を書き出すようになったんです。事実だけではなく、何を感じ何を思ったのかを見える化して、さらに人と照らし合わせて見る――すると、自分の当たり前=すべての人の当たり前ではないんですよね。この「同じ出来事も、人によっては捉え方が全く違う」というのが、手帳部で実感したことの一つ。よく言われる「自分との対話」ってこういうことか!と腑に落ちました。
※2:手帳レッスン
自分軸手帳部内で月に一度ランチタイムに開催されるオンライン講座。毎月のテーマに合わせ、ワークへの取り組み方やスケジュールページの活用のヒントなどを紹介する。
―― 感情を書き始めて、具体的に変化を感じたエピソードはありますか?
たとえば、これまではバズっているから買う、と思考停止していたようなシーンでも、「こういう味付けをしているからおいしそう」「こんな食べ方をしたらいいかも」「SNSにアップするためじゃなくて、私が本当に食べたいものなのかな?」と考えるようになりました。手帳に書く時に初めて感情を振り返るのではなく、そのずっと手前から、日常的に自分の気持ちにフォーカスするようになったという感じです。
こういうささやかなことを積み重ねながら過ごしていくと、いざ自分の心が折れそうな時とか、しくじった時、深く悩んだ時に、自分の感情や周りの状況を深掘りしやすくなる気がしていて。ここぞという場面で、自分を支えてくれる方法をこの手に持てているというのは、ものすごく心強い気がするんですよね。
―― 日々の積み重ねが、ここ一番で自分を支えてくれるわけですね。

そうそう。こうやって過ごせるようになったからこそ、「これまでは人がどう見るだろう、どう思うだろうということばかり先に立って、自分の気持ちをあんまり大事にしてなかったんだな」って感じています。
今は少しずつ自分と対話できるようになって、苦しい時に自分で気持ちを深掘りしやすくなったし、「こうあるべき」「こうせねばならない」から少しずつ離れて、自分の気持ちに素直にもなれた。
先ほどお話した6時部会をきっかけに、実は「ラジオ体操指導員」にもなったんですよ。正しい体操の方法を学んでもっとしっかり効果を得たいと思って、講座を受講したんです。これも、私がやりたいからやったことの一つ。誰かに褒められるからとか、見られているからという判断基準ではない「自分軸」で動けるようになりつつあります。
こうやって、自分に愛着が持てるようになったのが、自分軸手帳を手にした大きな効果ですね。
私は私のままでいい。鎧を脱いで見えた自分の価値
―― 「自分に愛着が湧いた」と言いきれるあたり、立ち居振る舞いや行動にも変化が生まれそうですね。

はい。職場の面談で、上司にも「最近のすぴかさん、なんだか心にゆとりが出てきたね。劇的に変わった気がする」と言ってもらえました。ちょうど自分軸手帳を使い始めて2年が経つ頃、2025年末の出来事ですね。
―― それはうれしいですね!そう言われるような心当たりはありましたか?
そうですね……劣等感からの解放でしょうか。
以前は職場で、自分の苦手なことを周りができている状況に劣等感を抱いて、あがいてばかりいました。ところがある時、長期休業を余儀なくされた同僚の穴を誰が埋めるかという話になり、その仕事が得意分野だった私が、率先して手を挙げたんです。すると、職場の人々にものすごく感謝されたんですよね。「すぴかさんのおかげで、自分の仕事に集中できました、ありがとうございました!」って。その時、「私の存在価値ってそういうところにあったのか!」と気づき、受け入れることができました。
多分それまでは、他人の目線を意識して「これができない自分が嫌」って過ごしていたんだと思うんです。でも、自分軸手帳や手帳部で少しずつ自分を許し始めていたからこそ、この出来事を迎えたときに周囲の感謝を素直に受け止められたし、劣等感を手放すことができた気がします。
―― すぴかさんの能力や得意・苦手はそのままなのに……不思議ですね!
そう。鎧が剥がれ落ちたような感覚でした。ガッチガチで焦っていた私が、そのままの自分でやっていけると気づいた。結果的に、雰囲気やコミュニケーションも変わって、上司はそれまでにない余裕を感じ取ってくれたんでしょうね。
霧が晴れずとも、もう焦らない。小さな成功体験が、今後の道筋を照らしてくれるから。
―― 自他ともに認める変化を手にした今、自分軸手帳を使い始める時に抱いていたキャリアや人生の迷いという点は、少しスッキリしましたか?
そうですね。なにせ大きなテーマなので「霧が晴れた!」とは言い切れませんが、「まだ霧の中だけど、どうすれば晴らすことができるかという方法は少しわかってきた」という感じかな。
―― 「グルグル悩む」から「考える」フェーズになった、という感じでしょうか。
はい。もっとささやかなあれこれについて、少しずつ晴れにしてきた成功体験を積んでこられたことが大きいですね。どうしたらいいかという「やり方」を知っていること、さらに「きっとできる」と思えていることを、とても心強く感じています。
―― ちなみに、これまでと今後を見渡して、すぴかさんにとって特に大切な『自分軸手帳』のワークやページは、どの部分ですか?
そうですね、3つあります。
まずは前半でお話した「習慣化リスト」。
そして二つめはウィークリーページですね。感情をつかまえるというお話をしましたが、それを行うのがこのページです。自分の気持ちがたくさんピン留めされている場所であり、筋トレのように自分との対話のトレーニングを続けた足跡が残るページでもあります。
―― 自己理解や対話の足跡ですね!最後の三つ目はいかがでしょう?

マンスリーページです。今年から、カレンダーのマスに一言、その日のダイジェストや、あと心が動いた瞬間、誰かの一言などを書き留めるという書き方をしているんです。その日の象徴を未来の自分へのお手紙のように残しています。
自分にしかわからない……というか、少し時間が経つと自分でさえもわからないような内容ですが(笑)、「私、こんなことをしてたよ」とバトンを渡すようなシーンを想像しています。筆跡や書き方も含めて、生きた証が残るような気がするんです。
―― 自分への愛着を手に入れたからこそ、日々の足跡を愛でることを楽しめているのかもしれませんね。ご自身の経験を踏まえて、『自分軸手帳』や『自分軸手帳部』はどんな人におすすめしたいと思いますか?
人と比べて劣等感を抱いていたり、迷子になっている人におすすめしたいです。
『自分軸手帳』って、自分を味わい尽くせる手帳だと思うんです。自分とはどういう人なのか、自分の持ち味はどこにあるのか――そのヒントを見つけて、自分を受け入れるきっかけになるものだと感じています。
理想の自分と実際の自分との乖離に悩んで焦っている人って、きっとたくさんいますよね。だったら、まずは自分を知るというスタートラインに立ってほしい。自分を大事にするきっかけを手にしてほしい。
そのためのツールや場として、『自分軸手帳』や手帳部はとても大きな支えになると思います。
<聞き手・執筆> 矢島 美穂


