「今年の振り返り」とは
自分軸手帳では、毎月のマンスリーページの直前に「毎月の振り返り」のページを用意しています。その12か月分を凝縮し、自分の1年を俯瞰することができるのが、「今年の振り返り」ページ。
「振り返り」と聞くと「反省」というイメージが頭に浮かぶ人も多いかもしれませんが……「今年の振り返り」は反省会ではなく、「自分を褒め、自分軸を見つけて育てる」ためのもの。
あなたの日常には、あなたの頑張りや工夫、その結果生まれた変化が隠れています。そこから学ぶことはあっても、自分を責める必要はありません。自分を追い込むのではなく、歩んできた道のりを定期的に確認し、これまでと今の現在地をやさしく見比べてみましょう。
特に、私たち「自分軸手帳」は、手帳を手に取った一人ひとりが、それぞれの自分軸を育てることを大切にしています。その育つ方向やペースは、まさに十人十色。
ちょっといびつでも、思い描いたよりゆるやかな成長だったとしても。自分の手で育んできたその変化や気づきを楽しんでみましょう。
1年を振り返る効果
冒頭でもお伝えした通り、自分軸手帳では「1ヵ月」「半年」「1年」……と、定期的に振り返りのページを用意しています。その理由は、「振り返り」こそが自分軸を成長させる肝だという強い思いがあるから。
自分軸手帳が考える振り返りの効果は、大きく2つあります。
▼ 1 |自己効力感が高まる
毎日を全力疾走していると、ふと立ち止まった時に「私は何もできていない」と思いがち。でも……手帳にその足跡が少しでも残っていれば、想像していた以上に「自分はいろんなことができていた」ということに気づくことができます。
▼ 2|経験から学ぶことができる
「人に勧められたけどイマイチだった」「やりたくて始めたはずなのに続かなかった」――そんな学びを少しでも振り返り手帳や記憶に残すことで、次に生かすことができます。
もちろん、逆も然り。「こうやればうまくいくんだ!」「こういうときの私はいい感じ」「やってみたら楽しかったなぁ」という“点”を集めて分析することで、自らが幸せを感じられるパターンを再現しやすくなります。
さらに、「”1年”の振り返り」ならではのこんなメリットも……!
▼ 1 |「鳥の目」で人生を眺めることができる
突然ですが、ビジネスの場面では、3つの視点が大切と言われています。
- 魚の目:潮の流れや干潮満潮という「流れ」を見極める
- 虫の目:足元を見つめる(低い位置からだと、鳥から見えないことが見えることも)
- 鳥の目:高い場所から俯瞰して、広い視野で物事全体を見つめる
これらの視点を人生、そして振り返りという観点で捉えてみると……
- 週や月を見つめるのが「虫の目」
- そこからもう一段大きな時間単位でくくって人生を捉え直すのが「鳥の目」
そういった意味で、1年の成果や変化が出揃う年末は、スペシャルなタイミング!人生をいつもと違った視点で捉えやすい、いい節目といえるでしょう。
さらにこの鳥の目が、次なる「魚の目」や「虫の目」へと生きていくはずです。
▼ 2 |Before→Afterの変化幅を実感できる
日々ダイエットしているのになかなか体型に変化が出ない……と思っていたら、数か月ぶりに会った友達に「えっ!やせた!?」と声をかけられた――そんな経験ありませんか?
毎日頑張っている本人はちょっとした変化を捉えにくくても、客観的に見ると大きく変わっているということはよくあるもの。
まさにこの「変化幅」を実感しやすいという点も、1年の振り返りのメリットの一つ。「1日・1週間・1ヵ月」だとわずかの変化も、1年という単位にすると「私、がんばった!変わった!」と認めやすくなるのでは。
ちなみに、ユーザーコミュニティ「自分軸手帳部」にはこんな名言が――。
BeforeなくしてAfterなし!
理想ではない自分の姿(Before )をそのまま手帳に記録しておくことで初めて、変化(After)がより強く際立つのです。
散らかった部屋、ドタバタの毎日、誰かをうらやむ気持ち――そんなあなたが今いるのなら、恐れることなく、それをこっそり記録しておきましょう。その記録は、1年後にあなたの変化をハッキリ証明してくれますよ!
「今年の振り返り」の書き方
■ まずは「今年の10大ニュース」に着手するのがおすすめ!
自分軸手帳では、見開き2ページで「1年の振り返りページ」をご用意しています。
そのうち、すぐに取り掛かりやすいのが、右ページの上部にある「今年の10大ニュース」のスペースです。
▼ STEP1:「今年の10大ニュース」をピックアップしよう
あなたにとって、あるいは家族やお友達との関係の中で、特に印象深かった出来事を書き出してみましょう。大切なのは「出来事のそのものの大きさ」ではなく、「あなたの心の振れ幅の大きさ」に目を向けてみること。高級レストランでの食事より、「家族と盛り上がったたこ焼きパーティー」に幸せを感じたのなら、それは立派な今年のニュースですよ!
\Point!/
・定期的に振り返りをしながら手帳を書いていた人:振り返りページを辿って10大ニュースをピックアップしてにみよう!
・振り返りなしで日々手帳を書いていた人:過去のページをめくりながら記憶をたどってみましょう
・手帳を書く習慣がなかった人:自分のSNSの投稿やスマホの写真フォルダを遡ると様々な出来事を思い出すヒントに
▼ STEP2:何が印象的だったのか、一歩掘り下げてみよう
10大ニュースが書き出せたら、それぞれの出来事について「どんなところが特に印象的だったのか?」「どんな感情を抱いたのか?」を思い出してみましょう。5W1H(※)の角度から自分の心が動いたポイントを探ってみてもいいですね!
(※)5W1H
・When:いつ
・Where:どこで
・Who:だれが
・What:何を
・Why:なぜ
・How:どのように
▼ STEP3:STEP2で言語化したエッセンスを俯瞰してみよう
STEP2では、あなたが今年特に喜怒哀楽を強く感じた瞬間の「点」を洗い出しました。その点たちを、一歩引いた場所から全体的に眺めてみましょう。
すると、共通する価値感や、それぞれのニュース同士のつながりなど、「点」が「線」となって浮かび上がってきますよ。
今年はこういうことを大切に過ごすことができたんだ!
あの時取り組んでいたことが、こうやって花開いていたんだ!
気づいていなかったけど、この部分はちょっと進歩できたのかも……
■ 左ページのフリースペースを記入するなら「反復横跳び」がおすすめ!
10大ニュースを書き出してエンジンがかかったら、左のフリースペースも活用して、もう一歩深くこの1年を振り返りましょう。
ここでおすすめなのが、「自分軸手帳の他のページと行ったり来たり=反復横跳び」するという方法。たとえば以下のような視点にアンテナを立てながら、過去に書き込んだ各種ワークやスケジュールページをめくってみましょう。
- 見落としていた変化や出来事は?
- 自分の心がじんわり温まったり、達成感に満たされるような出来事は?
- コツコツ努力できたこと・継続できたこと、新たに得た習慣は?
- 「私はこういうことが好きなんだ/イヤなんだ!」という発見は?
- 意識・無意識に関わらず「こういうことばかりやっていた/避けていた」ということは?
- カテゴリ別(例:自分、家族、仕事、学び、趣味……)で考えてみて気づくことや変化は?
▼振り返りしやすい2つのフレームワーク
さらに、反復横跳びでの気づきを、以下のようなフレームにそってまとめてみるのもおすすめです。
\Point/
・疲れている・自分を積極的に褒めたい=YWT
・ガツガツ行きたい・課題意識があるとき=KPT
と、自分のコンディションや向き合うテーマによって使い分けるのもいい方法!
▼ 1|KPT(ケプト)
よかったこと、うまくいかなかったことにバランスよく目を向けることができます。
- K:Keep ― よかったこと、続けること
- 例:手帳が習慣化できた
- P:Problem ― 課題・問題
- 例:取り組めていないワークがある
- T:Try ― 次にやること
- 例:来年は毎月1つずつのペースでワークに取り組もう
▼ 2|YWT(ワイダブルティー)
ささやかなことからも気づきが得やすいのに加えて、どんなことも前向きに捉えやすい方法です。
- Y ― やったこと
- 例:職場で異動した
- W ― わかったこと
- 例:つまらないと思っていた今の会社が楽しくなった!私の強みが活かせているということかも……
- T ― 次にやること
- 例:今の部署のどんな点が自分の適性にマッチしているのか深掘りして言語化しよう。その結果にマッチする新しいプロジェクトがあったら、積極的に手を挙げてみよう。
参考|運営メンバーの「今年の振り返り」実例集
振り返り方法や書式に正解はありません。が、いきなり「自由に!」と言われては戸惑いますよね。
以下は、自分軸手帳運営メンバーが実際に行った「2023年の振り返り」です。
真似したい部分を取り入れながら、あなただけの振り返りにチャレンジしてみましょう!
振り返りを何度も繰り返すうちに、徐々に慣れてきて、自分が取り組みやすい方法が見えてくるもの。
正解はありません!焦らず試行錯誤してみましょう!
「今年の振り返り」に取り組んだ方の気づき
この1年を振り返って、 「自分の操縦が上手くなった」ことを実感!深掘りしてみると、 自分の心の支えや指針になるキーワードを見つけ、 それを意識していた効果だと気づいた。このキーワード達を来年のためにまとめておこう
振り返りはあまり得意ではないけれど、振り返ることで 「次の一年はこんな風にしたいな」 が見えてくることに気づく
終わりに
冒頭でもお伝えした通り、「振り返り」は反省会ではありません。
「できた/できない」と評価するのではなく、「どう変わったか?」を見つめ、どんな変化も楽しんで味わう――そんなひと時にしましょう。
この1年を生き抜いた自分を労い、自分なりの変化を楽しみ、そしてまた未来のために今を記録できるのが、「今年の振り返り」なのですから。