自分軸手帳の書き方ガイド

「引き算のワーク」書き方ガイド

「引き算のワーク」とは

仕事に家事に育児に、次から次へとやることが湧いてくる毎日。「余裕がない現状をどうにかしたい」――それが自分軸手帳を選んだ理由の一つ、という方もいるかもしれません。

「もっと頑張らなくちゃ」
「効率よく動けないのが原因では?」
「ここのスピードを上げてみよう」
「○○のための時間をもうすこしたっぷり設けよう」

あなたがもし、そう考えているのだとしたら。一度立ち止まって取り組んでみてほしいのが、この「引き算のワーク」です。

「自分軸手帳」では、「足し算(=あなたがやりたいこと)」に取り組む前に、まず「引き算(=やりたくないことを手放す)」という考え方を大切にしています。

はじめに|「意志力」を無駄遣いせず、本当に注力したいものに費やすために

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自分軸手帳では、「自分軸」を育てるための資源として、「時間」「お金」「意志力」を掲げています。

では、あなたが欲しい「余裕」は、この3つの資源のうちどれでしょう?
さらに、その「余裕」を手に入れるために、今できるアクションにはどんなものがありますか?

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たとえばこんなアイデアが浮かんだかもしれません。では、この答えたちをよ~く観察してみてください。

――実はどの行為も「もっと頑張る、今ないものを手に入れる=インプットを増やすためのアクション」だということにお気づきですか?つまり、「自分に余裕がない原因は、知識やスキル・頑張りなど、『何かが足りない』」と思い込んでいる可能性があるのかも。

ところが、現実は真逆かもしれません。

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「余裕がほしい」という思いに突き動かされて、さらに何かを足そうとする――その行為は、冷静に考えれば「本末転倒」だということはわかりますよね。

「何かを足す」のではなく「減らして余白を作る」

ただでさえ、私たちは1日に3万5000回の選択を行っていると言われています。

新しいチャレンジや取り組みの中に喜ばしいものはもちろんあれど、その都度 時間も判断力(≒意志力)も求められるのであれば、やることをやみくもに増やすのは得策とはいいにくいはず。

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1日は24時間。さらに心身のエネルギーやキャパシティもその人なりのものがあるはず。貯金だって、一朝一夕では増えません。

時間・お金・意志力。どの余裕を求める場合も、既に決まった枠が存在します。

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だからこそ。「余裕のために何かを足す」のではなく、「自分の資源に自ら余白を作る」方向へ。やらなくていいことは手放し、本当に大切なことに貴重な資源を割くための一つの方法が、「引き算のワーク」というアプローチなのです。

自分の日常を見つめる。「引き算のワーク」に取り組もう!

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「ある」ものが「ない」状態になれば、その分が余裕に直結します。「引き算のワーク」を通して、今やっていることの中で、やめたり、やり方を変えたりできることはないかを見つめてみましょう。

◎STEP1:書き出す

まずは、自分の日常から引き算したい物事を自由に書き出します。

頭にパッと思い浮かんだ「やめたいもの」「惰性でやっているもの」「やりたくないこと」を正直に書いてみましょう。行き詰った時には以下のPointとヒントを参考に進めてみてくださいね。

\Point!/
やめるための方法は後から探せばOK!「できる/できない」「常識/非常識」を今ジャッジしないで。自分の気持ちに素直に「やめたいこと、やりたくないこと」を洗い出すことを大切に!

【書き出すときの4つのヒント】

▼ヒント1|「幸せを妨げられる」「憂鬱」に注目!

たとえば今日1日、直近1週間を思い出して、「憂鬱・幸せを妨げられる」と感じる瞬間はありましたか?その時の行為や心理状態・人間関係が手放したいもののヒントにつながる可能性が。

さらに、既に「24時間の棚卸しワーク」に取り組み済みの方は、そのページからもヒントが見つかるかもしれません。

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「24時間の棚卸しワーク」のStep2、「幸せを妨げられた瞬間」「それを減らすための方法を挙げる」に注目。「引き算」への視点があぶり出されているはずですよ。

▼ヒント2|カテゴリ別に考える

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漠然と全方位を見渡すのではなく、範囲を限定することで「ここにストレスがある」「ここに無駄がありそう」という気付きのきっかけに。

上記のカテゴリ以外にも、たとえば以下のように分けてみてもいいかもしれません。

  • 自分の役割:妻、母、娘、仕事人、地域人、個人…
  • 1日の時間帯:家族の起床前、朝の仕度、送迎、通勤、午前中、昼休み、午後、夕方……

▼ヒント3|自分に5つの質問を問いかけてみる

以下の5つの質問を自らに投げかけ、自分と対話してみましょう。

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ポイントは「自分を自分の親友だと思って問いかけてみる」こと。

現状を変えるにはパワーが必要なので、単に自問自答すると「ここのまま私がやればいい」という結論に陥りがち。ところが、親友にこの相談を持ち掛けられていると思うと、「まぁ自分がやればいいんじゃない?」とはなかなか答えませんよね!

▼ヒント4|引き算の実例を参考にしてみよう

ちなみにユーザーコミュニティ「自分軸手帳部」では、多くの部員さんが様々な引き算をこれまでに実現してきました。以下はその一部です。共感できるものがあれば、引き算候補としてリストアップしてみてはいかがでしょう?

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◎STEP2:やめるための方法を考える

STEP1で書き出したものの中から、特に「やめたい」ことをピックアップして、やめるための方法を考えてみましょう。

方法が思い浮かばない時は、まずはこんな視点から考えてみませんか?

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つい「Aをやめる代わりにB」と代替策をセットで考えがちですが、上記の1番のように「それ自体をやめるだけ」(=代替策は用意しない)でも、何の不具合も起こらないことも少なくないことをお忘れなく。

そうではなく代わりの方法を用意する必要があるなら、2~4番のような方法をベースに、気合いに頼らない「仕組み化」を絡めるのがオススメですよ。

【仕組み化の例】

洗濯物を畳むのをやめたい
 → 「畳みたい」派の夫の役割にする
  子どもにお小遣いとセットで頼む
  家族それぞれの洗濯物かごに畳まず投入する

スマホタイムを減らしたい
 → 夫にスマホを預けてしまう

新しい方法が定着するまでは、ウィークリーページの右上にある「習慣化リスト」とセットに書き出し、日々の取り組みを記録するのもいい方法です。

【Step2に臨むときの4つのヒント】

▼ヒント1|書き出した全項目をやめなくてもOK!

Step1での書き出しは、選別せずにアンテナを立てた状態に過ぎません。「全部どうにかする」という宣言ではありませんから、どうぞ肩の力を抜いてくださいね。

「優先順位が高いもの」「着手できそうなもの」から1つずつ引き算に取り組みましょう。

▼ヒント2|完全にやめる=ゼロを目指さなくてもOK!

やめたいことがゼロになったら理想ですが、現実はなかなかそうもいかないもの。たとえば「他人の理解・協力が必要なもの」「仕組み化するためにお金が必要なもの」「時期を待つ必要があるもの」など、工夫や努力だけでは限界がある引き算だってありますよね。

そういうものは「100%改善」「0にする」を今のゴールにする必要はありません

「30分かかっていたものが5分短くなった」「3回が1回になった」など、まずは少し減らすだけでも十分な成果です!

▼ヒント3|メリット・デメリットを書き出そう!

せっかく手元に手帳があるのですから、迷った時・行き詰った時は「メリット・デメリット」を書き出してみましょう。

自分の内側でグルグル考えていることを書き出す=自分と切り離した場所に外在化させる行為です。すると、同じ物事も客観的に捉えやすくなったり、多面的な視点で検討しやすくなります

\要注意!/こんな既成概念にとらわれていませんか?

ここで、「引き算のワーク」を進める過程で寄せられがちな「あるあるなお悩み」を2つほどご紹介しておきましょう。ドツボにハマった時、あなたもこの落とし穴にはまっているかも!?

◎あるある1:これってわがままじゃない?

「引き算したいことが思い浮かばない」「引き算できる気がしない」なんて思いに駆られるとき、その奥底には「やらなきゃいけない」「~するのが常識だ」「~すべき」という考えが深く根っこを張っているのかも。

そんなあなたに贈りたいアインシュタインの言葉が、こちら。

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あなたが「常識」と思っているものは、単なる偏見かも。
あなたの常識は隣の誰かの非常識かも。
あなたがその「あなたなりの常識」を放り投げても、実は誰も気にしないかもしれませんよ!

◎あるある2:時短にしておけば間違いないよね?

様々なライフハックが発信されている日常で、「時短こそ正義!」と思いがちですが……そうとは限らないことも。

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――これ、いずれも自分軸手帳ユーザーによるオンラインコミュニティ「自分軸手帳部」の部員さんの実話なんです。

得意や不得意は人によって違います。幸せを感じる瞬間もまちまちです。
「時間や手間がかかること、迷うこと」の中に楽しみを感じるなら、それは引き算対象外にすべき。

あの人に合う方法が自分にもいいとは限らないことをお忘れなく。

ワークに取り組んだ方の気づき

これまで積み重ねた「引き算のワーク」で、 自分が心地良い姿に近づいてきた。引き続き、削いで削いで削ぎまくりたい! そして残ったものが、 きっと私の本質で自分軸なんだろうな。

間引きを間違うと幹がふらつく、ということは忘れちゃいけない。 今じゃない引き算もあることに気を付けよう。

終わりに

新しいことにチャレンジすると「何かやっている感」には満たされるものの、漠然とその状態に安心しているということも多いもの。

むしろあなたが1枚ずつ服を脱ぎ捨てるように、小さくとも確実な引き算を繰り返す――それを通して、いつしかあなたそのものの輪郭が自然に浮かび上がってくるかもしれません。

ぜひ、いらないものを手放したことで得られる「余白」や「幸せ」を味わいながら、自分軸を育ててみてくださいね。