「ご機嫌発掘リスト」とは?
葉が光合成で作り出した栄養が幹へと送られ、木全体が成長していくように。
自分軸という幹を育てるためには、「時間・お金・意志力」という3資源を活用することがとても大切です。
無駄に落ち込んだりイライラしたりし続けることは、時間や意志力を激しく消耗させます。すると、本当に大切なことに向き合おうとする頃には、資源は底をついてしまうことに……。
時間も意志力も限りあるもの。だからこそ、自分のご機嫌を上手にとって、貴重な資源を本当に価値あるものに活用していくために。備えとして取り組んでほしいのが、今回ご紹介する「ご機嫌発掘リスト」です。
「マイナス→ニュートラル→プラス」で気分があがる2部構成
「ご機嫌発掘リスト」は、以下の2つのリストで構成されています。
あなたが体調が悪い(=マイナス)ときに、元気が出るようにと焼肉をお腹いっぱい食べさせられたとしたら……しんどいですよね!?
心の元気もこれと一緒。「マイナス→プラス」を一気に目指すのではなく、2つのリストで「ニュートラル」を挟みながら、ギアをだんだん上げてご機嫌を作っていくのがポイントです!
それぞれを記入することで、あらゆる状況でご機嫌を取りやすくなりますよ。
- ネガティブな状態から自分を取り戻す(ー→0)
- 普段の自分からさらにご機嫌に(0→+)
- 落ち込んだ状態からいつのまにかハッピーに(ー→+)
大前提|備えあれば憂いなし!あらかじめリストを作っておこう
ケガをしたときに、急いでお店を探して絆創膏を買いに行くのは大変!そんな元気すら湧かないことだってありますよね。
「ご機嫌発掘リスト」も同じこと。「今はそこまで悩んでいない」という平常時にリストを整えておくのが重要です。先回ししないで、今すぐ備えておきましょう!
いざというとき、救急箱からサッと絆創膏を取り出せるように。あなたのちょっとささくれた心をすぐに優しく支えてくれる存在になりますよ!
1 |「わたしの気分リセットリスト」書き方のポイント
「いつもの自分を取り戻すための備え」がこのリストの役割。「マイナス状態→ニュートラルな自分へ」と導いてくれます。
コーピングリスト(※)とも言い換えられますね!
(※)コーピング:ストレスに対して意図的に行う自分助け
以下の3つのヒントを参考に取り組んでみましょう。
▼ヒント1:「すぐに、どこでも、ひとりでできるもの」を!
マイナスな自分をニュートラルに引き戻すための「リセットリスト」では
・すぐに
・簡単に
・自分ひとりで
・最小エネルギーで
・・・が重要なキーワード。
例えば、以下の例は人によっては癒し効果も高く元気が出ることは間違いないのですが……いずれも「すぐにできるか?」という点で難易度が高いのも事実。
自分のご機嫌がマイナスになるのは、タイミングや場所を問いません。「手間がかかる取っておきの方法を一つ」より、一見くだらないように思えても、ささやかだとしても、「上記のキーワードを満たすバリエーションと数を多く用意する」ことを優先してみましょう。
▼ヒント2:「行動×五感」で考えてみる
数多くリセット方法を準備するのにおすすめしたいのが、「行動×五感」という切り口から考えるという視点。
突然ですが……
今、この記事を読むのを中断して、その場で10秒目を閉じてみてください。
――すると、たとえ10秒でも視覚刺激が遮断されて心が落ち着いたり、じんわりと自分に集中できるような心地よさを感じたりしたのではないでしょうか?
こんな風に、今のあなたがこの瞬間にできることを五感という切り口で考えてみると、思いつかなかったリセット方法が見つけやすくなるはずです。
【「五感×行動」のリセット方法の例】
- 聴覚×行動
おどる/歌う - 視覚×行動
木の枝の分かれ具合を見る/空を見る/我が子を観察する/感謝のリストを見る/手帳を振り返る - 味覚×行動
いいお茶を淹れて飲む/常備しているキャラメルを舐める - 触覚×行動
我が子をハグ/手のツボを押す/いつもより丁寧なスキンケア/自分を抱きしめる - 嗅覚×行動
いい香りのハンドクリームを塗る
▼ヒント3:あえてアクションの幅を広げたものもリストアップしてみる
「すぐにどこでもひとりでできるもの」をおすすめしたヒント1とは矛盾しますが……少し行動の幅を広げて「状況が許せばこんなアクションも取れる!」という選択肢を用意しておくことも大きな安心につながります。
◆「少しだけ移動も可能なら?」と考えてみる
「今座っているイスから立ち上がって体を動かしたり、移動できるなら?」という視点で考えてみましょう。
- 3分縄跳びをする
- 3分ストレッチする
- 10分間散歩に出る
- 緑のある公園のベンチに座る
ヒント1~2で挙げたものよりは時や場所を選ぶかもしれませんが、それでも比較的手軽にアクションできそうなものがいくつか思い浮かぶのではないでしょうか。
◆「サポートネットワーク」をリストアップしておく
いざというときに力になってくれる人やサービス(=サポートネットワーク)をリストアップしておくことも、心が弱った時に大きな支えになります。
- 気軽に相談できる相手:
パートナー、親、兄弟、友人のAちゃん、所属するコミュニティのBさん、同期のCさん…… - 力になってくれる人やサービス:
カウンセラー、オンラインの相談窓口、役所……
気持ちが沈んだときは、勝手に「孤独」や「遠慮」を呼び寄せてしまうもの。もし実際に相談しないとしても「いざというときはここに頼れる」「私の話を聞いてくれる人がいる」「味方がいる」と思えることが心の支えになります。
2 |「わたしのほめリスト」書き方のポイント
「ニュートラルな自分→プラス状態へ」と導いてくれる「わたしのほめリスト」。よりご機嫌な状態を目指すときに役立ちます。
なかなかペンが進まない時は、以下のヒントを参考に取り組んでみましょう。
▼ ヒント1:他人からの褒め言葉を書き留める
誰かに褒められたらすかさずメモしてみましょう。
言葉だけ書き留めるのに抵抗があるなら、「褒めてくれた人の名前」を一緒に記録しておくのがおすすめ。「事実の記録」となり、書き留めやすくなるという効果が。
他人からの誉め言葉を素直に集めてみると、その欠片(かけら)たちがあなたの良さや強みを浮き上がらせてくれるはずです。
▼ヒント2:手帳を「反復横跳び」して“ほめ”を抽出!
せっかく手帳を書いているんだから、ワークにも日頃の記録を活かさない手はありません!「自分軸手帳の他のページと行ったり来たり=反復横跳び」しながら、”ほめ”を見つけてみましょう。
◆例1:「わたしのほめリスト」⇔「今月の振り返り」
その瞬間は流れの中でこなした物事も、少し時間をおいて眺めてみると「あれれ?私こんなことがんばってたんだ!」と客観的な視点で捉えなおすことができるもの。
自分軸手帳には毎月「今月の振り返り」ページがあります。「1カ月」という単位で振り返りるタイミングで、「今月のほめポイント」を項目として掲げて定点観測。その記録を「わたしのほめリスト」に転記してみてはいかがでしょう?
◆例2:「わたしのほめリスト」⇔「ウィークリーページ」
ウィークリーページに、その日の良かったことを3つ書き留める「3good things(=3gt)」を書き留めているなら、それも「ほめリスト」の材料に活用しましょう。
自分ががんばったことや誰かに喜んでもらえたことなどが集まった3gtには、「自分のほめポイント」や「まわりからのほめ言葉」がいっぱい!
誰にも見せない自由な手帳の上だからこそ、「わたしのここ、案外いいな!」という部分を、遠慮なく書き留めてみてくださいね。
ワークに取り組んだ方の気づき
なかなか埋まらなかった「わたしのほめリスト」。そこで、子ども達に “ママをほめて!”と聞き取り調査。子どもたちがたっぷり褒めてくれた!家族のコミュニケーションとしても最高のワーク!
他人の目を気にせず「自分が」を主語にしたら、自分が思う「自分の好きなところ」が書きやすい!さらに「自分の得意探し」をしてみたら、 自然とやっていること、それを活かすことが大事なんだと気づいた!
終わりに
「大人たるもの、自分のご機嫌は自分でとろう!」と思っても、気持ちがブレているときはそれもなかなか難しいもの。すぐに平常運転の自分を取り戻しにくい時は「ご機嫌発掘リスト」をお守りに、少しずつ自分のご機嫌の取り方を練習していきましょう。最初はうまくいかなくても大丈夫。意識して活用していけば、あなたらしさを取り戻すのが少しずつスムーズになるはずです。
時間や意志力を、大切なことに惜しみなく注げる――そんな自分をコツコツ目指していきましょう!