自分軸手帳の書き方ガイド

「今年の目標」書き方ガイド

「今年の目標」とは

「ワークページ」と「スケジュールページ」から成る、自分軸手帳。その「スケジュールページ」の冒頭に設けられているのが、「今年の目標」ページです。

新たな一年の幕開けを迎えるとき、大なり小なり、希望やワクワク感を抱く方は多いことでしょう。

その一方で、以下のような戸惑いも生まれがちです。

今年の目標を掲げたいけれど、どうやって考えていったらいいかわからない

年始に目標をなかなか決めきることができないまま日常が始まってしまい焦っている

やりたいことはあるけれど達成できる気がしない……そんな目標を掲げて意味があるの?

そんなあなたに、まずお伝えしたいことがあります。

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自分軸手帳では、「目標」は「自分軸を育てるための手段」と捉えています。

【目標設定で陥りがちな思考】
・とにかく大きな何かを成し遂げなくてはいけない!
・ 今と違う場所に行かないと/全く違う自分にならないと意味がない
・世間の価値観や周囲の期待に従って自分の行く先を決める
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【自分軸を大切にしながら意識したい行き先】
・自分の心地よい方向に進む
    ・自分にとってうれしい未来・姿に近づく
    ・たとえささやかでも、自分にとって好ましい変化を手に入れる

大きな変化を目指したり、壮大な青写真を掲げたりすることが正解とは限りません。
あなたにとって幸せで心地よい未来の姿をイメージしながら、これからの一年のイメージを伸び伸びとふくらませてみましょう!

はじめに|手帳に目標を書く意味

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ある調査によると、「新年の抱負は達成できましたか?」という問いに対し、なんと42%の人が「抱負を覚えていない」と答えたのだそう!新年の目標を達成できたかどうか以前に、そもそも固い決意でさえ記憶のかなたに葬り去られてしまうという現実があります。

そこで大切にしてほしいのが、「目標を“手帳”に“書き出す”」という方法。

忘れないようにするには、「形として残しておく(=書く)」のが一番。さらに、日常的に目にする機会が多い場所に留めておくことで、意識に強く焼き付け、行動へと反映させることができます。

特に自分軸手帳は、毎月の「目標設定&振り返り」が定着しやすい仕様のため、定期的に「今年の目標」に立ち返りながら、月ごとのアクションに落とし込むことが可能。目標の実現により近づきやすくなります。

まずは「目標」をもっと自由に捉えよう

私たちは知らず知らずのうちに「目標」を型にはめて捉えがちです。まずはその既成概念を取り払って、もっと自由な発想を手に入れましょう。

◆「目標=100%ワクワク」じゃなくていい!

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具体的に目標を考え始めると、「ポジティブな気持ち」と同時に「ネガティブな気持ち」が同時に浮かぶことも多いもの。

こうなりたいけど、今できていないし……
目標を立てても達成できないかもしれないし……
だったら目標を立てる意味って?このままでもいいのでは?

この「心のザワザワ」は、「現状維持バイアス」と呼ばれる人間の本能。

これまでのやり方で今日まで生きてこられた=この方法を変えなければ明日も生きることができる。
だから変化を起こさず現状を維持したい。

そんな心理の表れなので、変化に対して腰が引けるのは至極当然のことなのです。

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ですから、罪悪感にさいなまれる必要はありません。むしろ心のザワザワを書き残しておきましょう。

ザワザワするけど、それを乗り越えてでもやってみたい!
(Aという現状や不安よりも、Bの方が私にとってうれしい!)

どうしてもザワザワが勝つから、今はやめておこう
(Bに興味はあるけれど、現状で手にしているAに勝るものではない)
(Bに興味はあるけれど、リスクに対する準備ができてからにしよう)
(Bに興味はあるけれど、半年待ってこの気持ちが本物か確認しよう)

そのいずれもが、あなたにとっての正解。

「自分はどういうことに対してザワザワするのか」「ザワザワを乗り越えても手に入れたかったのはなぜか」――そんなかけらを集めておくことで、「今、何より優先したいもの」「新しい自分にとって必要なモノ」などが見えてきます。それがまさにあなたの「自分軸」の種なのです。

◆「イケてない今」こそ書き残しておく価値あり!

今の自分が理想と程遠くてなんだか嫌になる……

目標がちっぽけだなぁ……

目標を立てる過程で襲ってきたこんな思いこそ、大いに書き残す価値があります!

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BeforeなくしてAfterなし/

これは、自分軸手帳のユーザーコミュニティ「自分軸手帳部」でよく謳われる言葉。

人が変化するとき、多くの場合、黒が白に一瞬にして塗り替わるわけではありません。小さな変化を積み重ねながら、まるでグラデーションのように徐々に変わっていくことのほうが圧倒的に多いはず。ところが、そのグラデーションの渦中にいると、自分の変化量や現在地を自覚しにくくもあります。

現在地の記録は、未来の自分に“自分がどれだけ変化してきたか”を気づかせてくれます。もし今のあなたがみっともないほどに不完全に思えても、むしろその不完全さが未来の自分の変化や成長の鮮やかさを増させてくれるかもしれません。きっと未来の自分は、今のあなたの姿を愛おしく眺めてくれるでしょう。

「自分軸」を大切に。目標設定のための2つのポイント

目標設定に向けた心のウォーミングアップが終わったところで、いよいよ実際に目標を書き出していきましょう!書き出すときには、以下のポイントを意識するのがおすすめです。

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◆Point1|「私」を主語に

自分軸を大切にした目標の大前提は、「あなた自身が求めていること」を言語化するということ。

会社など組織における目標設定では、全体としての方向性や到達点を各メンバーにチャンクダウンする形になりますから、必ずしも「あなただけの意思」とはなりにくいかもしれません。でも、「あなたの人生の目標」という観点で今年一年を描く時には、あなたの心の声を100%反映していいのです!

◆Point2|期限を決める

やりたいことは「期限」をセットにして考えてみましょう。

あなたの「やりたい」を死ぬまでに実現できれば、それは立派な達成です。でも、体力や経済的自由度、家族構成やライフステージを踏まえると、「今しかできない」「今はやりにくい」こともきっとあるはず。つまり「生きていても特定のタイミングを逃すと叶いにくい」物事が確かにあるのです。

「やりたい」に期限を与えた瞬間に、それは単なる「夢」や「理想」ではなく、「目標」に変わります。

より広い視点で軽やかに。目標を描くための3つのアイデア

「もう少し違った視点へと目標を広げたい」というときはもちろん、「何から手を付けていいかわからない」「これでいいのかと迷ってしまう」などと立ち止まってしまった時は、以下のアイデアをヒントにしてみましょう。

◆ヒント1|カテゴリ別で考える

何かを思考するときは、程よい枠組みがあると第一歩が踏み出しやすいもの。予めカテゴリを設定しながら、問いを立ててみるのがおすすめです。

【カテゴリ】
・キャリア  ・家族
・つながり  ・健康
・インプット ・趣味

 × 

【問い】
どんな1年にしたい?
今年やりたいことは?
変えたいこと、手放したいものは?

ムラなく埋めなくても構いません。もし「このカテゴリは次々思い浮かぶけれど、こちらはイメージが湧かない……」という場合は、それもまたあなたの自分軸の現れです。

◆ヒント2|「箇条書き」「文章」以外の方法もアリ!

目標は「したためる」というイメージかもしれませんが、もっと自由に表現してみましょう
書式を変えるだけで、止まっていたペンがするする滑り出すということもありますよ。

▼例:やりたいこと・確定した予定を月や週の単位に落とし込む

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▼例:マインドマップやビジョンボード(写真等をコラージュ)などで視覚に訴求

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▼例:マンダラチャートで、カテゴリ別に決まった数だけアクションを書き出す

◆ヒント3|ふせんを活用する

目標の内容以前に、手帳にペンを入れるという緊張感が自体が、手帳に目標の書き込むハードルになることも。

せっかくならキレイに書きたい

この内容で本当にいいのかな?

手帳に直接書き入れることを絶対にすると、「後に引けない」という気持ちがブレーキになりがち。

そんな時は、思考をコラージュするように、ふせんをページ上に貼り合わせて完成させる方法も。あるいは、別の用紙に書き出して、納得できたものを、手帳の「今年の目標ページ」にそのまま貼り付けるという方法もおすすめです。

目標を「育てる」という考え方

最後にもう一つ。自分軸手帳がおすすめしている考え方をお伝えさせてください。
それは、「目標は“固める”のではなく”育てる”もの」だという考え方。

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新年に掲げた目標は、これから一年変更不可能な絶対的存在ではありません。むしろ、途中で軌道修正したり、大きく変更することもあって然るべき。目標のベクトルも高さも期限も、全部仮置きで大丈夫ですし、空白があってもかまいません

だったら、目標を掲げる意味がないのでは……?

――そう思うかもしれませんね。

でも、一度置いた目標にむかって進んでみたからこそ、「目的地はこちらではないのかも」と気づくことができるわけですし、新たに進む方向を絞りやすくなる効果もあります。

また、ガチガチに道のりを決めた目標は、既定路線を歩むことになりがち。あなたの伸びしろを狭めることにもつながります。さらに、心の底では「こちらではない」と気づいていても、自分軸より目標達成を優先してしまうという本末転倒の事態にも……。

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自分軸手帳には、年初だけではなく、毎月の目標設置&振り返りのページが設けられています。

ここに記入するタイミングで毎月定期的に、短期(月間)目標と中期(年間)目標を行き来しながら、年間目標を少しずつ柔軟に育てる(書き足す・書き直す・止めてみる)ことをおすすめしています。


◆人のアイデアややり方を取り入れて、「目標を育てる」という方法

自分軸を育てるための目標は、「自分を主語に、気持ちに素直に」が大前提。でも、「誰かのマネ」をきっかけに、気づきや化学変化を促すという方法も大いにアリです!

他人の視点やアイデアも取り入れてみると、「こんなこともやってみたいかも……」「私が行きたいのはこっちじゃないな」と気づくことも。それをもとに徐々に軌道修正することで、「自分だけの目標」が少しずつ明確になっていきます

noteやSNSで自分軸手帳の中身を発信する方もたくさんいらっしゃいます。ぜひ「#自分軸手帳」「#自分軸手帳部」を辿って、アイデアや方法を取り入れたり、自分と照らし合わせたりする材料にしてみてくださいね。

「今年の目標」設定に取り組んだ方の気づき

年間目標・計画のページ、「量は少なくていいから書こう」と決めて、思いついことだけ書いておいたら、なんと旅行計画が実現しそう。 「計画する」って、旗を立てて動くことなんだと実感!

描きつつもしっくり来てなくて、途中で書きかけのまま止まっていた「年間目標」。その原因は、完璧を求めすぎていたからだと気づいた!これから少しずつ育てていこう。

おしまいに

今年の目標設定=年に一度のチャンス!と肩肘を張り過ぎてしまうと、ワクワクどころか義務感に駆られたり、「間違ってはいけない」とハードルを高めてしまったりすることも。

でも、昨日と今日が地続きのように、去年と今年も地続きであることをお忘れなく。便宜上、人間が作った「新年」という節目を活用して、いつもよりちょっと先まで見通す感覚をもつ――それくらいの意識の方が、気持ちに素直な目標を描けるのかもしれません。

「昨日のあのモヤモヤや違和感を減らしたら……今日のウキウキの面積をちょっと増やしたら……どんな世界が待っているだろう?」――そんな風に、伸び伸びと発想を広げてみてくださいね。